このたび、第67回日本婦人科腫瘍学会学術講演会ならびにアジア婦人科腫瘍学会(ASGO)2025を担当させていただくことになりました。このような素晴らしい機会を与えていただき皆様に心より感謝申し上げるとともに、その重責を感じているところです。
さて婦人科腫瘍領域のがん治療は近年目覚しい発展を遂げています。免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の登場、更にはロボット手術など新しい技術も普及しつつあり、それに伴い婦人科がんの予後も改善しつつあります。しかしながら特に維持療法に関しては長期間に渡り治療が継続し、患者さんの副作用をはじめとしたご負担も決して無視できるものではありません。また治療による長期にわたる影響が患者さんのQOLを損なうことも報告されており、我々婦人科腫瘍を専門とする医師は、治すだけではなく治癒後のケア (care beyond cure) も重要であると考えます。そのような観点から本学会のテーマを「婦人科がん患者のサポーターになろう!」といたしました。最新の治療法はもちろんのこと、婦人科がん患者をサポートするために必要な知識を十分に提供できる会にしたいと思います。具体的にはcardio-oncologyやstroke-oncologyなど長期的なフォローや高齢者のがん治療などにも焦点をあて、更には日本がんサポーティブケア学会との共同セッションなど様々な企画を準備して皆様をお迎えいたします。またIFCPCによるコルポスコピーセミナーも開催いたしますので奮ってご参加ください。ASGOのプログラムも自由に聴講できるようにする予定ですので、アジアの婦人科腫瘍医とも積極的に交流いただければ幸いです。
本学会の東京での開催は実に12年ぶりとなります。東京は食も遊びも何でも揃っています。学会に参加してよかった、と感じていただけるよう、魅力あるプログラムをご提供できるよう教室員一同努力してまいりますので、奮ってご参加いただきますよう心よりお願い申し上げます。
第67回日本婦人科腫瘍学会学術講演会/ASGO2025
会長小林 陽一
(杏林大学医学部産科婦人科学教室 教授)