一般の皆さまへ
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)についてQ&A
はじめに
子宮頸がんはそのほぼすべてが、ヒトパピローマウイルス(HPVと言います)の感染が原因であることが知られています。HPVには多くの「型」がありますが、そのうちがんと関係のある型は13~14種類です。HPVは子宮頸がんだけでなく、男性に多い咽頭がん、口腔がん、陰茎がん、肛門がんや、女性の外陰がん、腟がんにも関係があることがわかっています。この中で、がんとの関係が最も深いのがHPV16型、18型であり、HPVワクチンはこの16型と18型の感染を含めたハイリスクHPV感染による子宮頸がんを予防できるワクチンです。HPVワクチンは、当初子宮頸がんワクチンと呼ばれていましたが、実は子宮頸がんに限らず多くのがんを予防できるものなのです。
現在使われているHPVワクチンには、2価、4価、9価の3つがあり、それぞれHPVの2種類、4種類、9種類の型に対応しています。2価ワクチンはHPV16型、18型に対して、4価ワクチンはこれに加えて性感染症の尖圭コンジローマの原因であるHPV6型、11型に対して、さらに9価ワクチンでは4価ワクチンに加えてがんと関係する5種類のHPVに対する感染予防効果があります(Q6参照)。
日本では、平成25年(2013年)4月からHPVワクチンは定期接種ワクチンとして、12~16歳の女子に対して接種を受けるよう推奨されており、この年齢であれば無料で接種を受けられるようになっています。
またワクチン接種の積極的勧奨が中止されていた8年半の間に定期接種の機会を逃した女性(1997年度から2007年度生まれ)に対しても、キャッチアップ接種として令和4~6年度(2022年4月1日~2025年3月31日)の3年間限定で無料接種を行っていました。この期間中に1回以上接種をしたキャッチアップ接種対象者、または令和7年度(2025年度)に定期接種の対象から外れた方(2008年度生まれ)は、令和7年度の1年間(2026年3月末まで)で残りの回数(キャッチアップの方は合計で3回)を公費で接種することができます。