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子宮筋腫

症状

子宮筋腫は、そのできる部位により、漿膜下筋腫、筋層内筋腫および粘膜下筋腫に分類されます(図4参照)。筋腫は、出血、壊死、硝子化、水腫変性、石灰化などの二次変性をおこすことがあります。

症状としては、月経痛、過多月経、過長月経、腹部腫瘤触知、貧血などがあります。また、子宮筋腫が大きくなると周囲臓器を圧迫し、頻尿、排尿困難、便秘、腰痛などの症状もおこってきます。症状の強さは筋腫のある部位、大きさや個数などによって異なります。

漿膜下筋腫では月経痛、過多月経、過長月経などの症状はでにくいですが、茎部がねじれると激痛をおこすことがあります。粘膜下筋腫は、他の部位の筋腫に比べ、大きさが小さくても月経痛や過多月経、過長月経などの症状は強度で、貧血になりやすいといった特徴があります。月経痛が次第に増悪する場合は、子宮内膜症を合併していることが多いです。

図4.子宮筋腫

診断

内診と超音波検査、必要によりMRI検査などの所見を併せて診断します。画像所見が子宮筋腫の典型的な像でなく、閉経後の増大する腫瘍、小児頭大を超える腫瘍や不正出血を伴う場合には、悪性の子宮肉腫を疑うことも必要となります。

治療

子宮筋腫があっても症状がなく、手拳大以下のものであれば、定期的に検診を受けるだけで、特に治療は必要としません。しかし、サイズの大きいもの、次第に増大するもの、症状を伴うものは治療が必要となります。

1.手術療法

1)
子宮全摘術:開腹による腹式子宮全摘術と腟式子宮全摘術があります。腟式子宮全摘術は、経産婦の方で、子宮の可動性が良く、開腹手術や腹膜炎の既往のない場合が適応になります。それ以外は腹式子宮全摘術を行いますが、症例によっては、腹腔鏡手術も可能です。
2)
子宮筋腫核出術:生殖年齢にある人が対象となります。これは筋腫の部分だけをくり抜く方法です。発生部位、大きさや数などを考慮し、開腹して手術を行うか、腹腔鏡手術にするかを選択します。
3)
子宮鏡下手術:子宮腔内に突出した粘膜下筋腫で、筋腫の茎があまり太くないものが対象になります。

2.薬物療法

閉経が間近い症例や、重篤な合併症のために手術を避けたい症例に対して行われる治療法です。子宮筋腫核出術の前治療としても有効です。卵巣での女性ホルモン産生を抑えて筋腫を縮小させるGnRHアナログ治療が、点鼻薬や注射剤を用いて行われます。治療中は無月経となるため症状は改善します。しかし、骨量減少などの副作用のため長期連用はできません。使用を中止すると、子宮筋腫はもとの大きさになり症状も再発します。

その他の新しい治療法としては、鼠径部からカテーテルを挿入し、レントゲン透視下に子宮動脈につめ物をして、血流を遮断することにより筋腫を縮小させる子宮動脈塞栓術が試みられています。

いずれの治療法にも長所と欠点があり、治療法の決定はその人の年齢、今後の妊娠予定、筋腫の大きさ、部位、数、癒着の有無などを考慮して決めます。これらのことを担当医の先生から十分説明をうけ、納得した上で治療しましょう。

【妊娠に子宮筋腫が合併した場合】
妊娠してはじめて子宮筋腫が発見されることもあります。子宮筋腫合併妊娠では、何もおこらず経過することもありますが、切迫流早産や早産、筋腫の変性、分娩障害、産後出血などがおこることもあります。多くの場合は、保存療法が行われています。切迫流産徴候がとれない、過去に子宮筋腫が原因と思われる流産既往がある、筋腫が急速に増大する、妊娠継続の障害になると判断される、筋腫が変性し疼痛を訴える場合などには、妊娠中に筋腫核出術を行うことも可能です。

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